2回試験を終えての雑感 written by 76期弁護士 佐藤 和樹
1 はじめに
先日、2回試験の結果発表があり、無事に合格することができました。実際に2回試験を乗り越えたことで、2回試験について考えるところが多々あり、今回は2回試験の雑感というかたちで、2回試験についてご紹介したいと思います。
2 2回試験を終えての雑感
1 試験スケジュール
すでに別のコラムでもご紹介していますが、2回試験のスケジュールは非常にタイトです。土日を間に挟んではいますが、1日の試験時間が非常に長く、休憩時間も一応はありますが、多くの修習生は昼食時間も起案をしているため、あまり休む時間はありません。
さらに、1科目の起案にて作成する答案の枚数は30ページ前後(多いもので40ページを超過することもあります)になり、数時間もの間、文字を書き続けるというのは物理的に疲労感がとても生じます。
また、個人によって異なるかもしれませんが、比較的重いと言われている科目(民事裁判、刑事裁判、検察)が連続しており(他方で、比較的軽いと言われている民事弁護と刑事弁護は序盤にありました)、一息つく暇もなかったスケジュールでした(もっとも、76期の2回試験スケジュールは、77期以降も同様になるとはいえず、年度によって異なるようです)。
2 試験会場への集合
私は、大阪の梅田研修センターで受験をしました。若干、梅田駅から歩きましたが苦にならない程度の距離感でした。
実際に試験室に入室できるのは、集合時刻直前になりますので、遅刻を心配するあまりに早く試験会場に集合してしまうと、試験室前で長時間待機することになりますので、適度な時間に集合することをおすすめします。
私の場合は、初日は試験室入室可能時間の30分前には集合していましたが、2日目以降は10分前に到着するようにしていました。
試験室前に到着した後は、同じ修習地の友人と2回試験の話をしていました(座席は修習地ごとに固まっているわけではなく、他の修習地の修習生と混在していました)。このときに話をしていた内容が偶然にもそのまま試験に出ることもあり、精神衛生上問題ない方は、友人とどの問題が出そうか等の話をしてみるのもよいかもしれません。
私の場合は、同じ修習地の友人がいつも早く試験会場にいたこともあり、試験会場に着いた後はずっとその友人と話をしていました。
3 昼食・夜食
昼食は、試験室の座席で取りましたが5分程度で済ませ、昼食休憩時間中も起案を続けました。周囲の修習生も同じような感じであったと思います。修習生は皆、試験会場内で昼食を取るので(試験時間中は試験会場の外に出ることは一切できません)、匂いのきついものなどは避けた方がよいでしょう。
トイレ休憩など、試験時間中に座席から離席する際は、自席から挙手し、常に試験監督員の指示に従ったうえで行われなければいけません(梅田研修センターのトイレはかなりきれいでした)。
無事に試験が終わった後は、同じ修習生の友人と夜食を取りました。梅田研修センター付近には比較的、飲食店が数多くあり、お店選びには困りませんでした。
人にもよりますが、気分転換を兼ねて、修習生と夜ご飯を一緒に取ることをおすすめします。今まで同じ修習を経てきた仲間ですし、同じ試験に臨んでいるわけですから、苦楽を共にしているもの通し、気持ちが通じることが多いと思います。
4 宿泊
宿泊について、私は試験会場付近に止まらずに自宅から試験会場まで通いました。
確かに、試験当日の天気や公共交通機関の乱れなどによって、集合時間に間に合わないおそれも考えられます。ですので、そのようなことが心配な方は近くのホテルを事前に予約しておくのが無難でしょう。
私の場合は、ホテルに勉強資料を持って行くのが面倒であったことやいつもの住み慣れた部屋で寝泊まりしたかったこと、試験会場まで向かう時間もよい気分転換になったことから、あえてホテルは取りませんでした(もっとも、私の体感ですが、大阪に自宅がある修習生を除いて、かなり多くの修習生は試験会場近くのホテルに宿泊をしていた印象です。そのため、どこを優先するかによって選択は異なるかと思います)。
5 2回試験を終えて
やはり2回試験は、9割以上の修習生が合格する試験とはいえ、一部の修習生は残念ながら不合格となる試験です(76期は、6名の修習生が2回試験不合格となっています)。さらに、2回試験に落ちてしまうと、今後のスケジュールが大きく変わってしまいます(内定取消しや再び2回試験を受験するとしても1年先であること、それまでの生活費をどのように捻出するのかなど)。
ですので、なんとしても合格しなければいけない試験というプレッシャーと、長時間にわたる起案の疲れも相まって、物理的にも心理的にも過酷な試験であったと思います。
とはいえ、当たり前のことを当たり前に起案すれば、ちょっとしたミスがあったとしても落ちはしない試験であるとも思います。
今思うと、この程度の起案をすると2回試験に落ちてしまうであろうという悪い答案を想定しておくのもよかったと思っています。どのようにしてよい答案を起案するかよりも、最低限の答案はどの程度のレベルであるのかを意識することで、避けたい結果である2回試験落ちを回避することができると考えるからです。
2 最後に
この記事を読んで頂き、今後、2回試験に挑戦されるであろう皆様が無事に合格することを願っています。